サイクロ減速機には曲線板と呼ばれる特殊な形状のギアが必要になります。
Fusion360では、この曲線を手作業で表現するのは難しいので、スクリプトを作りました。
ただ曲線板を作るだけでは面白くないので、サイクロ減速機に必要なパーツの外ピンと出力ピンも描いてくれるようにしました。
このスクリプトでできること
このスクリプトではサイクロ減速機に関する3つのパーツのスケッチを作ることができます。
- 曲線板(灰色)
- トロコイド並行曲線
- 中心の穴
- 出力軸伝達用穴
- 外ピン(銅色)
- 出力軸のピン(緑色)
使い方
リンク先のリポジトリを以下のフォルダにクローンします。
Windows – %appdata%\Autodesk\Autodesk Fusion 360\API\Scripts\
Mac – ~/Library/Application Support/Autodesk/Autodesk Fusion 360/API/Scripts/
よくわからない人は、リンク先右上のClone or downloadから、ZIPをダウンロードして、上記のフォルダに解凍してください。
そのあと、Fusion360を開いて、
ツール→アドイン→マイスクリプトの+→解凍したフォルダを選択→CycloidalDriveの項目が出てくるので実行
もし、ウィンドウが狭く表示されてしまったら、図の赤丸の部分でウィンドウ幅を変更できます
設定パラメータ
必要パラメータータブ
最低限必要なパラメータ5つを設定することで、曲線板の外形と外ピンを描くことができます。
Raducation ration 減速比
減速比=1-外ピン数/曲線板の歯数
このスクリプトでは同じ歯数で違う減速比は設定できません。
そのため、
外ピン数=曲線板歯数+1
となっています。
Eccentric amount 偏心量
外ピンの中心を通る円の中心点と、曲線板の中心との距離です。
Ring pin diameter 外ピン直径
そのままの意味です。
Ring pin pitch diameter 外ピンの基準円直径
すべての外ピンの中心を通る円の直径です。
Cycloidal curve plot num par thooth 曲線板の1歯あたりのプロット数
このスクリプトでは曲線板の曲線をスプラインのコマンドを使って表現しています。
そのため、どれくらいの点で曲線を近似するかを決定する必要があります。
点が少ないと曲線の精度が悪く、点が多いと処理が重くなります。
minimum Presser angle 圧力角
歯面の最小圧力角(最も力を伝達できる点の圧力角)を表示します。
任意設定のパラメータータブ
こちらのパラメータを設定することで、曲線板の中心穴と出力伝達用穴、あと出力軸のピンを描くことができます
曲線板の中心穴に関する設定
Cycloidal gear centor hole 曲線板の中心穴に関する設定グループ
Draw centor hole 曲線板の中心穴の描画
このチェックボックスによって中心穴の描画をするかどうかを選べます。
Diameter 曲線板の中心穴の直径
そのままの意味です。
曲線板から出力軸に関する設定
Cycloidal gear to output disk* 曲線板から出力軸に関する設定グループ
Draw around hole 出力伝達用穴の描画
このチェックボックスによって出力伝達用穴の描画をするかどうかを選べます
Draw output disk pin 出力軸のピンの描画
このチェックボックスによって出力軸のピンの描画をするかどうかを選べます
Set about 設定対象
出力伝達用穴と出力軸のピンのパラメータは連動しています。
ここで、どちらについて設定するかを選択できます。
Hole(pin) num 穴(ピン)の数
出力伝達用穴or出力軸のピンの数を設定します。
Hole(pin) diameter 穴(ピン)の直径
出力伝達用穴or出力軸のピンの直径を設定します。
Centor to hole(pin) distance 中心から穴(ピン)までの距離
曲線板から出力伝達用穴までの距離、もしくは、出力軸の複数のピンの中心から出力ピンまでの距離を設定します。